こんにちは、ジェニーです!
オーストラリアに大学院留学で来てからはや数年、先月末、やっと永住権がおりました!!
オーストラリアに学生ビザで来たのが2018年なので、約4年半かかったことになります。多分短い方なんだろうとは思うんですが、体感としては長かった…やっと…という感じです。
そこで今回は、私が申請した州ノミネーション技術移住ビザ(190ビザ)というカテゴリーがどんなものなのかということと、申請までに準備したことリストを紹介したいと思います!
- 技術独立ビザ(189ビザ)オーストラリアでの現状
- 州ノミネーション技術移住ビザ(190ビザ)のしくみとポイント計算方法
- ポイントを最大化するためにできること
私が申請した190ビザ(州ノミネーション技術移住ビザ)とは
まず、私ははじめ190ではなく、 技術独立(189ビザ)で申請しようとしていました。
この189ビザというのは簡単に言うと、「申請者の職歴・学歴・英語力・その他資格をポイント化して、点数の高い人から永住権の招待をあげるよー」というシステムです。
どの職業・職歴でもいいわけではなくて、オーストラリア政府が定める指定された職業リストに載っている職種である必要があります。リストに載っているのは、中長期的にオーストラリア国内で不足しているとされる職業です。
2022年6月時点でリストに載っている職業の例としては、
- 会計士(コード:221111)
- シェフ(コード:351311)
- 弁護士(コード:271111)
- ソフトウェアエンジニア(コード:261313)など他にもたくさん
(参考:Skilled independent visa occupation list)
いろんな分野の職業が載っています。
特にIT分野は職業が細分化されていて、Software Engineer の他にも、ICT Business Analyst・ICT Security Specialist・Developer Programmer等、様々な職種でのアプライが可能です。
ということで、私も当初、189のソフトウェアエンジニア枠で行こうと思っていました!
ところが、2019年以降、189ビザの年間招待数が大幅に削減されてしまったのです。。
このSBSのニュースを見てください。
2018-2019年度(オーストラリアは7月から新しい会計年度が始まります)の189ビザ招待数は、22,920でした。ところが、政府の方針転換により、2019-2020年度の189ビザ招待数は7720と、66%も落ちているんです。
参考に、2020-2021年度はコロナの影響も大いに受け、年間を通して1690でした。1690ってもう笑けてきますよね(笑)
つまり、189 ビザの招待数は、
- 2018-2019 年度 22,920
- 2019-2020 年度 7,720
- 2020-2021 年度 1,690
と、どんどん減ってきていました。
過去20年間で一番少ないとニュースでも報告されています。(参考:SBS Visas granted this year may be lowest in 20 years’, says expert as Home Affairs announces January invitation round)
189ビザの代わりに地方ビザに枠をふって、人口の都市集中を防いで地方経済活性化をしたいという政府の方針に加えて、コロナで国内での失業者が増えたことの影響と言われています。
ということで、189ビザはかなり厳しめになってきたため、190州ノミネーションビザで申請することにしたのです。
州ノミネーション技術移住ビザ(190ビザ)の詳細
こちらも189ビザと同じポイント制です。
違いは、州ごとに異なる優先的に誘致したい職業リスト・特定の条件を満たせば、州からの推薦ポイントとして5ポイント加算してあげるよーという点です。そして、その代わりビザ承認後最低2年間は推薦された州に滞在してね、という制度です。
2021年のクイーンズランド州の場合は、こんな感じの条件でした。
- ポイントテストで80点以上あること
- 政府が定める職業リストに掲載の職種であること
- Proficient レベルの英語力(IELTS各セクション7)
- 直近6カ月間フルタイムで、州内で対象職種として働いていること
詳細は、公式WEBサイトを見てみてください。
クイーンズランド州の190に申請したい場合は、189ビザで求められる要件に加えて、上記の要件を満たす必要があります。
そしてこの条件、州ごとに違ってきます。例えば、州所在の大学の卒業生を優先する州、国外からの申請も積極的に受け付ける州、はたまた3年以上の就業経験を必要とする州や、限られた職種のみを対象とする州などなどです。
さらに年度ごとに招待数・要件が変わることもしょっちゅうです。特にここ1~2年はコロナの影響で毎年要件が大きく変更されているので、ここに書いているのは2022年6月時点の情報ですが、ビザのエージェントに相談するのが一番正確で安心ですよ!
ポイントがどんな風に計算されるのかというと…
ポイントって言ってきましたが、何が加算対象なの?って話ですよね。
できるだけ抜粋してリストアップすると、以下の通りです。
- 年齢(25-32歳がポイント最大)
- 英語レベル(Superior level = IELTS 8 がポイント最大)
- 申請する職種のオーストラリア国内での就業年数
- 申請する職種のオーストラリア国外での就業年数
- 学歴(博士修了がポイント最大)
- STEM分野のオーストラリア大学院リサーチコース、もしくは博士課程を修了
- オーストラリアの教育機関で2年以上正規コース留学(Diploma、学士、修士)
- 勉強したオーストラリアの教育機関は Regional Area とされる場所か
- プロフェッショナルイヤーを修了しているか
- NAATI CCL 通訳試験 に合格しているか
- 単身かパートナーも一緒に移民するか(パートナー帯同の場合、パートナーの英語力・職業によりポイントが変わる)
- 州からのノミネーションがあるか
上記すべてを満たしていないといけないわけではなく、例えばオーストラリアの地方の大学キャンパスで勉強していなくても、NAATI CCLがなくても申請可能です。ただ、189ビザ申請の場合最低でも合計65点以上に到達する必要があります。
移民局に公式のポイント計算ページがあるので、興味がある方はこちらで現時点で何ポイントあるか、計算してみることもできます。
ポイント合計が65点以上だと、EOI(Expression of Interest)という、「私、永住権申請に興味ありますよ~」というアプリケーションを提出できます。そして、EOIを出した人たちの中から、移民局の方で点数の高い人から順に、本申請の招待がかかるといった流れです。
だから189ビザの流れとしては、以下の通りです。
これが190の州ノミネーションになると、ちょっとだけステップが変わってきます。
プロセスも州ごと、年度ごとに代わる可能性がありますが、以下は2021年クイーンズランド州の場合です。
EOI申請時に、クイーンズランド州からノミネーションされたい!という希望を出す
永住権取得までにしたこと全部
いいですか、当初はこんなにハードモードになるとは正直思ってませんでした(笑)
たぶんポイント加算のためにできることは全部しましたね。。
豪大学院:まずは、オーストラリアで大学院修士課程を2年かけて修了します。これは予定通りですね。ブリスベン(=都市部)にある大学だったため、大学地方キャンパスポイントはもらえませんでした。
英語試験:周りのインド人・中国人の友達がPTEでばんばん高得点(IELTS 8相当)を取るのを見て、もしかしてPTEならいけるんじゃない??と思って大学院の夏休みを使って対策を開始しました。そしてSuperior ポイントがとれたので、ここで20ポイント加算です!
職歴1~3年:卒業後すぐにソフトウェアエンジニアとして働き始めたので、EOIを提出するころには1年の職歴がありました。
プロフェッショナルイヤー:大学院を卒業した後、約1年かけてPYを修了すると5ポイントです。
NAATI CCL 受験:いや、なくても大丈夫じゃない?と思っていたものの念のためとっておくことに。後にこの5ポイントに救われることになります。。。
ということで、最終的に合計95+5(州ポイント)で190ビザに申請しました。
EOI 提出からビザ承認までのタイムライン
2021年5月 | EOIを提出 |
2021年10月 | クイーンズランド州ノミネーションプログラムがオープンしEOIを再度提出 |
2021年11月 | クイーンズランド州からPre-invite が届く |
2021年12月 | 190ビザを本申請(もろもろ正式書類を提出) |
2022年5月 | ビザが承認される |
こうやって書くと全部が一年でちゃちゃっと終わった感じがしますが、実際は2018年の留学から温めてきた計画なので4年半かかったことになります。
しばらくはやっと終わった~という達成感にひたりたいです。。
ちなみに485の卒業生ビザは自分で申請したのですが、今回は「どのビザで申請するか」というアドバイスや、申請のタイミングについても専門家の意見がほしかったので、移民ビザエージェントを通して申請しました。
もしも今から留学するならどんな計画を立てるか
数年前とは状況が変わったので、もしも今から移住を視野に入れた留学をするならどうするかなーとふと考えてみました。
まず、政府の方針や各ビザの難易度が変わることを見越して、複数の選択肢を同時に追うのが安心かな?と思います。
技術独立ビザ一本に絞ることはしないで、例えば、技術独立ビザのポイントをあげつつ、留学する大学自体を地方ポイントの稼げるエリアにしたり、卒業後すぐに働き始めてスポンサーしてくれる雇用主を探したり。
制度はくるくる変わるので、ひとつオプションがだめになっても代替案が常にある状態というのが理想かと思います。
留学時の年齢だったり、日本での職歴だったり、パートナーの有無によったりして、雇用主スポンサーや地方移住ビザの方の方が向いていることもあります。
まとめ
ということで今回は、私が申請した190州ノミネーション技術移住ビザと、申請までの道のりをシェアしてみました。
もし、オーストラリアに移住を考えている方がいらっしゃれば、少しでもこの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは!
※本記事の内容は、あくまで私の個人的な経験・意見に基づくものです。実際の申請要件やビザのタイプは刻々と変わっていますので、真剣に検討されている場合、ビザの専門家の方に相談いただくのが一番確実かと思います。