実録!プロフェッショナルイヤーの全容公開【スキルアセスメント5ポイント加算対象】

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こんにちは、ジェニーです!

オーストラリアで大学院を卒業した後に、スキルアセスメントのポイントを加算するための手段として「プロフェッショナルイヤー」というプログラムがあります。

会計・エンジニアリング・IT学部出身者が卒業後に受けることができる1年間のコースで、修了するとスキルアセスメントで5ポイント加算ができます

この記事では以下のようなことが分かります。

  • プロフェッショナルイヤーでは具体的に何を学ぶのか?
  • どういう人にプロフェッショナルイヤーの受講がおすすめか?

私は、実際にECAという学校で昨年プロフェッショナルイヤープログラムを修了しているので、実例を踏まえてコースの全容を解説していきたいと思います!

目次

プロフェッショナルイヤープログラムとは?

プロフェッショナルイヤープログラムの概要

プロフェッショナルイヤー(PY)プログラムというのは、オーストラリア大学の会計・エンジニアリング・IT系学部を卒業した留学生向けのコースで、オーストラリアの労働環境・文化を学んだり、即戦力となれるように関連分野でのインターンシップをしたりするプログラムです。

コース自体は、8カ月のコースワーク+3カ月のインターンシップ、という構成が基本で約1年間かかります。大体の留学生が大学卒業後2ー3か月後(7月卒業なら10月スタート、12月卒業なら3月スタート)からこのコースを開始しています。

プロフェッショナルイヤープログラムのメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • コース修了者はスキルアセスメントで5ポイント加点できる
  • インターンシップを通して実戦経験を積むことができる
  • オーストラリア企業で働く上で必要な法律や文化を知ることができる
  • 就活にむけてネットワーキングできる

…とはいえ実際のところは、5ポイント加点を目的に受講している留学生がほとんどです(笑)

プロフェッショナルイヤープログラムを提供する学校・学費

学費は学校によっても変わってきますが、IT系プロフェッショナルイヤープログラムの場合、大体8,000~11,500ドルが相場です。私はECAという学校で受講していたのですが、エージェント経由で8,000ドル程でした

ACS(IT系スキルアセスメント・プロフェッショナルイヤープログラムを管轄するオーストラリア団体)から認められている教育機関である必要があるのですが、代表的なプロバイダーは以下の通りです。これらの他にもあります!

最新のリストはACSの公式サイト https://www.acs.org.au/cpd-education/professional-year-program.html で確認可能です。

Jenny

これらはIT系PYプロバイダの例です。ACSはIT系のPYのみを管轄しており、会計・エンジニアリングはそれぞれ管轄機関が異なるのでご注意ください。

プロフェッショナルイヤープログラムの受講要件

IT系の場合の受講要件は以下の通りです。

  • IT系の学士以上の学位をオーストラリアの大学で2年以上かけて修了していること
  • 485ビザ(卒業生ビザ)もしくは485ビザ申請後のブリッジングビザを保有していること
  • Competent レベル(IELTS OA 6.0レベル)の英語要件を満たしていること

卒業生ビザを申請するときに必要な要件とほぼかぶっているので、特別準備することはないかと思います。

私が修了したプロフェッショナルイヤープログラムのカリキュラム

Jenny

私は、上記で紹介したECAでPYを修了しました。どの学校のプログラムも共通なのですが、PYはコースワーク期間とインターンシップ期間があります。

コースワーク期間(8カ月)

コースワーク

この期間は、オーストラリアの労働環境・文化・関連法律を座学で学んだり、英語でのビジネスコミュニケーションの仕方、会議への参加の仕方、現地での仕事探し・応募の方法、履歴書の書き方・インタビューの受け方を10~20人のクラスの中で練習したりします。

私が受けていたのは週末コースで、毎週土曜日8:45~17:15がPYデーでした。私が受講していた時期はほぼ毎週受講スタート可能で、クラス規模は大体10人前後というのが相場でした。コロナの時期だったので、1回だけ学校に通学しましたが、それ以外はすべてオンライン(Zoom)で参加可能でした!

クラスの1日の流れとしては、まず8:45に出欠を取り、今日勉強するトピックについての紹介やちょっとしたレクチャーをトレーナーから受けます。そしてブレイクアップルームに数人ごとに分かれてグループワークをしパワポにまとめて発表、その後まとめのレクチャーがあったり個人ワークの時間があったりします。最後に、次週までの課題の説明があって17:15に終了です。

まず勉強する内容が難しくないので理解できないということはないと思いますし、グループワークも大学留学時代に必ず経験していることなので新しいことはないと思います。ひとつ違いとして挙げられるのは、PYは成績にグレードがつかないので、クラスでのディスカッションやグループワークに全く参加しようとしない人も全然いるということです(笑)

毎週小さい課題があるのですが、大体は個人ワークでちょっとしたレポートや調べものといった程度です。ただ、コースワーク最後2カ月間は、4-5人でグループを固定して、ビジネスプランを作り、計画書を提出し(大体1万字前後が目安と言われました)、グループでプレゼンするというプロジェクトがありました。プロジェクトはグループワークの時間中に進められるので私の場合それほど持ち出し時間は多くなかったのですが、グループメンバーのフォローアップが必要なことも多々あるので!(笑)、フルタイムで働きながらだとちょっとストレスになることもあると思います…!

以下に、コースワークでカバーされていたテーマをリストアップしてみました。

  • オーストラリア企業・労働文化
  • オーストラリアの労働安全衛生法
  • 職場におけるダイバーシティ
  • オーストラリアにおける仕事の探し方・レジュメの書き方・インタビューの受け方
  • チームワークの練習
  • プレゼンテーションの練習
  • ビジネス文書の書き方・コミュニケーションの取り方
  • ビジネスプロポーザルプロジェクト(レポート・最終プレゼン)

ACS主催イベントへの参加

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コースワーク期間中には、最低3回以上ACSが開催するイベントに参加しレポートを提出する必要があります。

レポートにはテンプレート(上のイメージ)があります。ACSはICTに関する専門家を招いたレクチャーや、パネルディスカッション、ICT系職種のキャリア構築の仕方などをテーマにいろんなイベントを開催しています。コロナ前までは実際に会場に赴き、証拠として他参加者との写真を撮り(笑)レポートに添付する必要があったらしいのですが、私が参加したものはすべてがオンラインでした。最近はちょっとずつオフラインイベントも再開しているみたいです。

イベントは1時間から半日程度のものまで様々です。

PYに参加した時点でACSマイページへのアクセスが可能になるので、そこからイベントの参加予約が可能になります。

ACS公式イベントページ:https://www.acs.org.au/cpd-education/event-listing.html

インターンシップ期間(3カ月)

インターンシップ

8カ月のコースワークが終了すると、インターンシップ期間が始まります。インターンシップする会社の探し方は3通りあります。

  1. 既にフルタイムでIT系職種で働いている場合、現在の雇用主に便宜上インターンシップ先となってもらう
  2. 自分でインターンシップに応募し、インターンシップ先を確保する
  3. 学校(PYプロバイダー)にインターンシップ手配を依頼し、インターンシップ先を確保する

というのが主なルートです。

私は1の方法で、働いている会社に便宜上のインターンシップ受入れ先になってもらいました。大体クラスの4割くらいがこの方法で、6割くらいが学校にインターンシップ手配を依頼している印象でした。

どっちがいいというのは一概に言えないんですが、学校から紹介されるインターンは無給のことが多いので、インターンが始まる前までに有給の仕事・インターンを見つけておくのがいいのかなと思います。PYのインターンシップは週に3日以上という決まりがあるため、アルバイトや他の職種で働いていた場合インターン期間中の収入が確保できなくなってしまうので。。

期間中、インターン先にはトレーニング計画表の作成や面談などちょっとしたアドミンワークをお願いする必要がでてきますが、少なくとも上記パターン1の場合、通常業務を継続していればOKです。

オンライン課題の提出

インターンシップ期間中はACSからオンラインで課題が出されます…!

大体2~3週間に1回の締切頻度で、オンラインディスカッションへの参加や、短いレポート提出、クイズ解答などこまごました課題をこなし、オンラインで提出していきます。課題の例としては、インターンシップで学んでいることのレポート・IT系職場にありがちな倫理的ジレンマに関するケーススタディ・インタビューを想定した自己アピールビデオのアップロードなどがありました。

Jenny

インターンシップ期間中の課題は、本気でやれば毎回1~2時間で終わるかなといった感じです。コースワーク期間中と比べると週末がフリーになるので断然楽です!!

所感:プロフェッショナルイヤープログラムを修了して思うこと

コース価格はしっかり比較調査するのが大事

私はエージェントを通して申し込んだのですが、エージェントを通さずに申し込んだ子の中にはより高い金額を支払っていた子もいました。さらに驚いたことに、学校によっては、エージェントを介さずとも直接交渉によってさらに値下げしてくれることもあるらしく(学校で働く知り合いから聞きました)、下調べが大切だなと思いましたね。。私は学校のWEBサイト掲載の価格を見て、エージェントを通した方が安い!と思って申し込んだのですが、今思えばエージェントを通した価格を確認した上で、直接学校に問い合わせて交渉やディスカウントのオプションを探ることもしておくべきでした!

5ポイントが「必要」なら受講検討をおすすめ

2022年時点、IT系職種の場合189ビザに招待されることは非っっっ常に稀であり(周りには一人もいません)、190(州スポンサービザ)、491(地方ビザ)、または雇用主スポンサービザを目指すのが現実的になっています。さらに190ビザを目指す場合も、「何点あれば確実」ということは誰も言うことができない状況です。

私の場合は、95(スキルアセスメントポイント)+5(州スポンサーポイント)= 100 ポイントで190ビザの招待をもらったのですが、あと5点低かったら招待されていませんでした。なので私個人の場合は、PY修了しておいて良かったなと思います。ただ、PYポイントなしでも職歴などで十分なポイントが確保できたり、雇用主スポンサーが確実に確保できる場合はその限りではないと思います。

まとめ

ということで、オーストラリアでIT系学部卒業後に受講することができるプロフェッショナルイヤープログラムの紹介でした。

関連分野での職歴がなかなか詰めないという方や、ポイントを最大限上げておきたいという方は、検討する余地があるコースかと思います。紹介されたインターン先でその後も雇用が継続している例もあるようです。

それでは!

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