こんにちは、Jennyです!
ここ二年は、オーストラリアでの永住権ポイントを加算するためにいろいろと対策をしていたんですが、
そのうちの一つが NAATI CCLという試験の受験 です。
NAATIというのは、オーストラリアでプロの通訳・翻訳者として働く上での基準を定めたり資格認定をする機関で、CCLというのはこのNAATIが認定・発行している資格試験です。合格すれば永住権に向けたスキルアセスメントで5ポイントの加算が可能になります。
- NAATI CCLとはどんな試験で、どれくらい難しいのか?
- どんな対策が有効か?
今回は、英日のCCLを受験してみてどうだったか?を書いてみたいと思います。
結論から言うと、スキルアセスメントでは僅か5ポイントの差で永住権申請の招待がされないこともありますし、CCLは難易度もそれほど高くない試験だったので、ポイントを上げたいけど迷っているという方には受験をお勧めします!
NAATI CCLとはどんな試験か
CCL は Credentialed Community Language の略で、オーストラリアのコミュニティで日々生活する中で十分に意思疎通ができるレベルの逐次通訳ができるか、を審査する試験です。
50種類以上の言語に対応していて、英語⇔日本語の逐次通訳もばっちり対応言語リストに含まれています。
NAATIが認定している通訳・翻訳試験にはいろいろなレベルや種類があるのですが、CCLはその中でもこんな特徴があります。
- NAATIが提供する通訳試験では最もエントリーレベル
- 通訳試験のみ(翻訳の選択肢はなし)
- 合格しても認定通訳者として働くことはできない
- 目的はスキルアセスメントの5ポイントのみ(受験者はオーストラリアへの移民希望者メイン)
気になるCCLの試験形式ですが、2セットの対話場面で構成されています。
それぞれの対話では、英語話者と日本語話者が会話を進めるので、英語話者の英語を日本語に、日本語話者の日本語を英語に逐次通訳していきます。1つの対話につき300単語ほどと言われていて、大体1つの対話10分×2セットで、準備時間も含めると所要時間は全体で30-40分ほどのオンライン試験です。
出題されるトピックには以下のようなものがあります。(トピック一覧:https://www.naati.com.au/services/ccl/)
- ビジネス
- 雇用・採用
- 移民関係手続
- 教育(高校・大学等)
- 銀行での手続き
- センターリンクでの手続き などなど
ちなみに、ここから公式の日本語版練習問題(スクリプトと音源)もダウンロードできます。
例えば、公式練習問題を見てみると、
”オーストラリアの学校の校長先生と日本語話者のお母さんが、娘の入学手続きについて面談をしている”
という設定です。
この場面で、逐次通訳者として(というか逐次通訳者の気分で?)校長先生の英語を日本語に、お母さんの日本語を英語に訳していきます。
スクリプトを見てもらえるとわかるように、使われている語彙は日常会話の範囲内のことが多く、PTEやIELTSでハイスコアを取ることと比較すると易しめの試験と言われていますし、私も実際受験してそのように感じました。
以下の公式CCL動画は、コロナ前でオンサイト受験だったころのものですが、難易度や大方の流れはこんな感じです。
気になる採点ですが、1つの対話につき45点×2セット = 90点満点で採点されます。
見ての通り、合計63点が合格最低点です。ただしそれぞれの対話セットで最低でも29点以上は得点する必要があります。つまり対話1が40点、対話2が23点で合計63点に達しても、不合格ということになります。
周りのスキルアセスメントを受ける友達の多くが、5ポイント加点のためCCLを受験していました。
大学院で一緒だった友人は言語問わず今のところほぼ全員が合格しているのでIELTSで6.5くらいあれば手が届く試験かなという印象です。
コロナの前までは指定された会場での受験が必要だったのですが、ここ2年でオンライン試験に移行されて、自宅での受験ができるようになったのも嬉しいポイントです!
受験の予約はNAATIでアカウントを作ってから可能になります。
NAATI アカウント作成ページ:https://my.naati.com.au/Account/Register
日本語版の受験日程ですが、大体2~3か月に一回程とそれほど多くありません。(たまに4ヶ月後ということもあります)受験枠は比較的直ぐに埋まってしまうので予約は早めに取っておくのがおすすめです。
- コミュニティレベルの会話場面を逐次通訳
- 所要時間20~40分
- オンラインで自宅受験可能(2021年時点)
- IELTS6.5 くらいあれば合格の可能性高し
- 受験料約800AUD
- 合格するとスキルアセスメント5点加算
NAATI CCL受験のスケジュール感
とはいえ、試験形式に慣れること・練習問題を可能な限り解くことはできればしておきたいです。
私の場合は、1か月前くらいから形式の確認や練習を始めたんですが、正直ちょっと早すぎたかな?という感じもしたので、それより短い期間でも対策は十分可能かと思います!
約一週間前になるとNAATIから受験詳細のメールが届くので、以下を確認しておきます。
- 必要なアプリのインストール
- Webブラウザの動作状況確認
- Practice Testのリンクが提供されるので、オンライン受験形式(どうやって録音が開始されるか、どうやってリピートするか、など)を最終確認
公式では4~6週間で結果がメールで送られてくることになっています。
私のNAATI CCL 受験体験
まず当日までに指定されたモバイルアプリをインストールしておきます。
CCLオンライン受験では、常に2か所から受験者を録画しなければいけません。パソコンのカメラ・そして受験者を横から録画できる場所にアプリを起動した携帯の2か所から受験状況が分かるように録画します。
セットアップ詳細については、公式ビデオがあるので、受験日前日までに見ておくと安心です。
私が受けたときの2つのトピックはこんな感じでした。
- 新しくファッションブランドのお店を出したいと思っている人(日本語話者)と銀行の担当者(英語話者)が、銀行に提出する正式なビジネス計画について話し合っている
- 大学生(日本語話者)が大学のキャリア相談員(英語話者)に卒業後のキャリアを考えて専攻の変更をすべきか相談している
結構緊張して受けてたんですが、ラッキーなことにどちらのトピックとも特に難しい語彙は出てこなかったです。
対策に関しては、私は友達が通っていたCCLの学校から日本語版の練習教材だけ購入して、後は自分で対策していました。
コロナが始まってからは、医療系(病院での医者⇔患者間の会話)や社会福祉系(センターリンクのスタッフ⇔補助がほしい人)のトピックが出されることが多いと聞いていてそのあたりの語彙も確認しておいたんですが、実際のトピックはかなり身近なものでした…!
受験料が800AUDとIELTSやPTE受験料の2~3倍するので怖かったんです(笑)
公式では、4~6週間で結果がメールで送られてくるとあったんですが、私の場合は受験後2週間で送られてきました!
こんな感じで対話ごとのスコアが分かるようになっています。
まあ、73.5 / 90という可もなく不可もなくな点数でしたがとにかくパスしたので何よりです。参考にですが、5回くらいはリピートのリクエスト(パッセージをもう一度聞くこと。多いと減点の対象です)をした上での点数です。
NAATI CCL おすすめの対策方法
CCL練習問題を購入する
私が受験した時期(2021年)は、日本語のNAATI CCL 対策コースを提供している学校はオーストラリアにありませんでした。中国語やヒンディに比べて受験者もかなり少ないのでしょうね…。ただ、練習教材であれば、入手可能なものがありました!
こちらの PTE Study Centre は、PTEを受けるときにお世話になったんですが、CCL日本語用の教材を提供してくれました。私のときは開催していませんでしたが、日本語NAATIのトレーナーの方が対応可能な時期であれば、英日のCCLオンライン対策コースを受けられる可能性もあるようです。
>> PTE Study Centre CCL Course
30種類くらいの練習ダイアログを音源付きでもらえたので、2周ほど繰り返し練習しました。できるだけ多くのトピックに触れておくため、出題形式に慣れておくため、しっかり練習問題をこなしておきたいです!
YouTubeからコツ・テクニックを学ぶ
おさえるべきポイントはたくさんあります。
どうやってメモを取るのが効率的か、理解できずもう一度文を聞きなおしたいときはどうすればよいか、知らない語彙があったらどうするか、などです。以下が参考の動画ですが、これら以外にもたくさん関連動画があるので、検索してみてください!
買い切りのオンラインコースを最大限利用
本格的に対策する時間がないときには、戦略や頻出トピックの語彙をおさえるオンラインコースの受講も有効な選択肢だと思います。
例えば、この学校ではマイナー言語話者向けにCCLの包括的な戦略を教えてくれるオンラインコースを提供しています。練習マテリアルの購入だけだと不安という場合、検討の余地ありです。
>> Sydney language solutions CCL online workshop
こちらのUdemyコースは、CCLでよく出てくるトピックの重要語彙を紹介してくれます。
>> NAATI CCL for Australian immigration
私は、練習マテリアルの購入とYoutube動画のみで対策しましたが、周りの留学生の友達はオンライン・通学コースを受講している子もかなり多くいました。ストイックになりすぎず、捻出可能な時間と好みの学習スタイルに合わせて対策をとるのがいいと思います。
CCL対策中に気づいた大事なポイント
受験日は早めに確保しておく
CCL試験で一番難しいのは、取りたい時期に予約を取ることだとも言われていました(笑)超基本ですが一番大事なことです。私も受けたい時期になかなか予約が取れませんでした。
IELTSやPTEと違って数か月前からの予約が必要になるので、いつまでに合格結果が必要か(受験後最大6週間かかる)、対策にどれくらい時間をかけたいか、から逆算して早めに予約をしておくことをお勧めします。
メモは必ず読める字で書く
メモを取るときって必死になりすぎて汚い字になりがちです。私は自分の字が読めないことが多々ありました…。
なので、キーワードのみメモをとり、他は短期的に流れを記憶しておく、もしくは矢印などの記号を使うのが大事なんだなと気づきました。
英→日は直訳ぎみでOK
特に英語から日本語に訳すとき、きれいに意訳しようとして時間がかかったり、どもってしまったりすることもあるかと思います。でも、合格した友達から「固い表現になったりちょっとだけ不自然になっても直訳ぎみで訳す方が安全」という話を聞いてからは、きれいに意訳するのはあまり気にしないようにしました。実際友人も私もそれで実際合格しているので、それが求められている方向性なのかなと思っています。
医療系・福祉系の語彙は”念のため”おさえる
私は偶然本番ではこういうトピックにあたりませんでしたが、対策中知らない語彙にたくさん出会いました。病名やオーストラリアの福祉各制度の名前やしくみなど、なじみがない語彙ばかりだったので、対策なしで本番のトピックに出ていたら焦っていたと思います。知っておいて損がないことばかりなので、対策もかねて周辺ボキャブラリーをおさえておくと安心です。
まとめ:あと5ポイント必要ならオススメ
ということで今回はNAATI CCL の概要と受験の感想を書いてみました。
結論として、IELTS6.5くらいある状態であれば合格可能性がある試験ですし、スキルアセスメントで5ポイント加算することもできるので、ポイントが足りないという人は受けてみても損はないと思います。
それでは!